DTMで楽曲制作に励むあなた。
開始した当初は何もかも新鮮で、毎日手が止まらなかったでしょう。
でもここ最近はPCに向かうにも腰が重い、気付けばしばらくDAWを立ち上げてない…なんてことになっていませんか?
・DTMにも慣れてきたため新鮮味が薄れ、以前ほど興味が向かない
・制作に行き詰まって気が進まない
・仕事や生活に追われ時間が取れない
・いざ時間が取れてもなかなかやる気が湧かない
こんな理由で制作から遠ざかってしまう事例は数限りなくあります。
そうならないためには?
今回はDTMの「習慣化」 「習慣化するための方法」について取り上げたいと思います。
目次
【1】「習慣化する」とは?

まず習慣化するとは何か?を簡単に説明します。
・起床
・食事
・歯磨き
・通勤通学
・家の掃除
・入浴
・就寝
私たちが普段何気なく行なっていることを習慣と呼びます。
上で挙げた例、特別意識せずともとっていますよね。
自然と体が行動しているはずです。
今回記事で扱う習慣化とは、
「DTMを生活習慣の中に取り入れてしまおう」
という考えなのです。
朝、顔を洗って朝食を取るのと同じように、DAWを立ち上げ楽曲制作をする。
就寝前に少しでも時間があるようならPCに向かう。
日々のルーティーンにDTMを組み込みます。
上記の例にのっとり「歯磨き化」とも呼ばれます。
【2】「習慣化」で得られるメリット

毎日の習慣にDTMを加えることで受ける恩恵は様々です。
1.インプットがはかどる
時間間隔を空けず取り組めるようになるため、新しい技術や知識を吸収する効率が上がります。
昨日覚えたことをすぐに復習できれば、より身につきやすくなります。
2.フットワークが軽くなる
DTMが日常の一部として定着すれば、特に意識することなく制作に移ることができます。
「よし、作曲するぞ!」といちいち決心する必要がなくなります。
3.成長が実感しやすくなる
「ちりも積もれば山となる」という言葉があります。
毎日コツコツ積み上げることで、気がつけば大きな山が出来上がる。
先週、先月の自分と見比べてみてください。確実に成長しているはずです。
4.脳と心の負担が軽くなる
「DTMは特別なもの、気を引き締めて取り組まねば!」と毎度思っていたらいつか息切れしてしまいます。
プレッシャーはスランプの一因になりやすいので、ストレスは溜めたくないですよね。
制作を日々の習慣にできれば、精神的負担も軽減されるでしょう。
【3】難しい?「習慣化できない理由」あれこれ

しかし、いざ実行しようにも簡単にいくとは限りません…
みなさん(無論私含め)なかなか行動に移せない方、多いと思います。
・作曲のたび気合を入れるので、疲れる
・思うようにまとまった時間が取れず「今日はいいか…」と先延ばし
・仕事や学校で疲労、PCに向かう腰が重い
・いざ時間が取れてもなんとなく億劫に…
どれか一つは身に覚えがあるのではないでしょうか。
一度サボるとその後もズルズル続いてしまいがち。
制作の間隔も空いてしまうため、以前作った物や覚えたことも忘れてしまう…
悪循環が続き、結局DTMそのものを辞めてしまうことに…
事実、そうした理由でリタイアした人は後を絶ちません。
せっかく安くない投資をしたのに辞めてしまうのは勿体無いですよね。
次項で「習慣化するコツ」 「続けるコツ」を紹介したいと思います。
【4】習慣化のコツ

1.まずは短い時間から
「5分間だけ」など、短い時間から設定していきましょう。
毎日5分だけならできそうな気がしますよね。
仕事から帰って疲れていても、そのくらいでいいなら…と向かいやすくなります。
2.内容は問わず「とにかくやってみる」
ではその5分で何をするか?
答えは「なんでもいいからとにかくやってみる、打ち込んでみる」です。
・Aメロのメロディだけでも考える
・ベースのフレーズを1小節だけ打ち込む
・サビのコード進行だけでも配置してみる
どんな簡単な物、短い物で良いので、何かしら作ってみましょう。
一つ一つは小さくても、それを一週間続ければ立派な成果になります。
3.「DTMタイム」を設定する
DTMの時間を生活リズムの決まったタイミングに設定してみましょう
・朝、通勤通学前の30分
・お昼休み、食後の15分
・帰宅後、夕食前の20分
・就寝前の30分
タイミングが決まれば、それに合わせた行動もしやすくなります。
ルーティーン化することにより、DTMがより日常に溶け込んでいきます。
毎日行えば徐々に体が慣れていき、取り組める時間も自然と増えていきます。
まずは1日5分を一週間。達成したら次は10分、次は30分…と少しづつ多くしていきましょう。
それを更に二週間・三週間・一ヶ月…と繰り返していけば、その頃にはすっかり習慣化が身に付いているでしょう。
集中力も鍛えられるので、長時間の制作も苦にならなくなります。
【5】注意点、避けるべき行動

1.はじめから長時間設定、大きすぎる目標
いきなり長時間を目標に設定すると絶対に息切れします。
マラソンのような長距離走で、初挑戦フルで完走はまず不可能ですよね。
DTMも同じで、慣れないうちから毎回2時間・3時間と続けるのは難しいと思います。
また、目標を大きく設定しすぎるのも避けるべきです。
「今月中に10曲仕上げる」
「デモ曲を20曲用意する」
気持ちだけ先行してしまうこと、よくありますよね。
達成できなかった時の心理的ダメージは大きいので、挫折にもつながります。
まずは達成可能な範囲を目指しましょう。
2.その日の気分に左右される
人間どうしても日によって気分にムラが出てしまい、DTMも例外ではありません。
「今日はなんとなくやる気出ない…」
「先週頑張ったし今週はいいか…」
と楽な方に流れがちです。
そうなると脆いもので、気付けばズルズルと先延ばしになっていたり。
気分が乗らない瞬間こそ踏ん張り時です。
そんな時は義務的でもいいので、とにかく手を動かしてみましょう。
いざ始めると楽しくなって止まらない、なんてこともよくあります。
3.無駄に時間だけかける
目標も決めずだらだら時間だけかけるのは絶対に避けましょう。
作曲ソフトを立ち上げたはいいけど何も決まらず2時間過ぎていた…というのは非常に勿体無いです。
また時間だけは経過しているので、何もしていないのに「やった気分」にはなってしまいがちです。これは本当に無駄なので十分注意してください。
短い時間で良いので、軽い目標だけでも決めておきましょう。
たとて小さなものでも、達成できれば立派な成果物です。
【6】筆者の場合

私自身その時の気分に左右されやすい性格で、DTMにもその影響が出ていました。
時間が取れたある日、一気に数時間も集中して制作に打ち込んだはいいものの、満足してしまったのかその後一週間DAWを立ち上げなかった、なんてこともありました。
心の中ではまずいと思ってるものの、ずるずる先延ばしになってしまいがち。
そんな時、上記トピックでもご紹介した「まずは5分から」という考えに出会いました。
仕事で忙しくても、疲れていても、毎日5分だけなら自分でもやれそうな気がする。
「まずは一週間やってみよう」、そう決心し実行に移しました。
すると、「5分だけ」という敷居の低さが幸いしたのか、あっさりと一週間ノルマを達成することができました。
それどころか、毎日30分以上作業できていることに気づきました。いざ始めてみると5分だけでは物足りず、おのずと時間が増えていったんですね。
「一番腰が重いのはスタートするまで、始めてしまえばこっちのもの」
同じような経験をしている方、たくさんおられるのではないかと思います。
現在では、よっぽど体調が悪くない限りは毎日DAWを立ち上げ、なんらかの作業を進めています。
平日に浮かんだアイデアをしたため、時間のある休日に盛り込むのが最近の楽しみです。
【7】最後に

以上、DTMの習慣化について述べさせていただきました。
・「習慣」とは、普段生活する上で何気なくやっていること
・習慣化で日常生活にDTMを組み込む
・習慣化すれば技術や知識のインプットがはかどる等メリット多数
・最初は短い時間から慣らしていく
・内容よりも「まずやってみること」が大切
・ DTMの時間は決まったタイミングに設定
・いきなりの大きな目標や時間設定はNG
・気分のムラに左右されない。多少無理しても取り組んでみる
・ダラダラ時間だけかけない
習慣化はDTMのみならず、資格勉強、楽器の練習、スポーツの練習など、生活のあらゆる場面で役立ちます。
まずはDTMでコツを掴み、他の物事に応用できれば、日常生活の質がグッと高まるでしょう。
現に当ブログも、毎日の空いた時間を利用して執筆しており、そのコツはDTM作業の効率化が大きく影響しています。
何事も一夜漬けではなかなか身に付きません。日々の積み重ねを繰り返してこそ、強く深くその身に刻まれていくのです。