この記事はこんな方におすすめ!
・手軽に高クオリティの音源素材が欲しい!
・音作りをする上での参考が欲しい!
リバースシンバル、ドラムループ、効果音…
いわゆるループやエフェクト(FX)といった、オーディオ音源素材は楽曲制作に欠かせません。
MIDIや録音だけでは出せない彩りを曲に与えてくれます。
そのオーディオ素材、皆さんはどうやって入手していますか?
個人のサイトで無料配布されているもの、DAWにプリセットで入っているもの等ありますが、それだけだと数・種類に限りがあります。
「プリセット音源だけでは物足りない」
「同じジャンルだけど、別アプローチの音源が欲しい」
「もっとマニアックな効果音が欲しい」
そんな時におすすめしたいのがこのサイト「Splice」。
豊富な品揃えと品質で、きっと望むものが見つかるはずです。
今回はサブスク制音源配布サイト「Splice」と、その人気サービスである「Splice sounds」をご紹介します。
※記事中に登場する用語については、こちらも参考にどうぞ
【8ビート】覚えておくべき有用ドラムパターン【シャッフル】
【MP3】音声ファイル形式の種類・特徴と用途【WAV】
目次
【1】Spliceとは?

アメリカの企業「Distributed Creation」が運営する音楽・DTM関連のウェブサイトです。
・Splice sounds(音源素材配布)
・Splice plugin(プラグイン配布または案内)
・Splice studio(クラウドサービス)
・Splice community(曲の公開・共有)
これら四つのコンテンツを有しています。
その中でも「Splice sounds」は最も人気かつ有用なサービスです。
【2】料金・システム

Spliceのシステムは、毎月振り込まれるポイントを利用する、いわゆるクレジット制。
音源ひとつに対し1クレジット消費してダウンロードする、というのが基本的な使い方です。
月額 | クレジット数 |
---|---|
7.99ドル | 100クレジット |
13.99ドル | 300クレジット |
21.99ドル | 600クレジット |
最も安いプランでも月900円ほどで100ポイントも貰えるので、かなりお得です。
音源素材を一つ一つ吟味してダウンロードしたい方はこちらで十分でしょう。
逆に、パックでまとめてストックしたい・とりあえずダウンロードしてそれから探す、という方は上位のプランがおすすめです。
パックの種類によっては200個以上まとめて入っている物もあり、100クレジットでだけでは到底足りないからです。
また、登録から14日間の無料トライアル期間も存在します。
【3】使い方
メールアドレス・パスワード・プランを登録し、専用アプリをダウンロードしたらいよいよSpliceが使えます。

まずSpliceのホーム画面へ行き、左上の「Sounds」をクリックします。

このように検索欄とおすすめパックが表示されます。
「trap」で検索してみましょう。

トラップビートにマッチする音源が表示されています。
右側の「+」アイコンをクリックすればダウンロードが開始されます。
さらに絞り込みたいのであれば、「trap kick」「trap bass」のように探したいワードと共に検索すれば、欲しい音源を簡単に見つけることができます。
ダウンロードされた音源は専用アプリにストックされるので、DAWのトラックにドラッグして貼り付けましょう。

またとても便利な機能として、選択した音源と似た素材を表示してくれる「Similar sounds」があります。

検索の手間を短縮でき、非常に有用です。
【4】Spliceのメリット

1.圧倒的なサンプル数
まずなんといっても圧倒的なサンプル数が魅力。その数なんと200万以上。
しかも日々新しい音源が投稿され続けているので、一生かけても聴ききれない数が揃っています。
2.豊富な品揃え
数だけでなくジャンル・種類も豊富。
ドラムループ、コードループはもちろんのこと、楽器の単音・効果音・生活音・環境音などまさによりどりみどり。
楽曲だけでなく、動画や映画の効果音集めにも役立ちます。
3.高音質
アップされている音源のフォーマットは、全て非圧縮音声であるWAV。
高音質の素材が揃っています。(その分容量も大きいですが)
4.高品質
アップされている音源はどれもクオリティが高く、ドラムループなどはそのまま貼り付けて使って大丈夫な物も。
プロも多数音源を提供しており、また多くのプロトラックメイカーもSpliceを利用しています。
5.音源をダウンロードすれば解約後も使える
サブスク制の多くは解約してしまうとサービスが受けられなくなってしまいますが、Spliceでは一度音源をダウンロードすれば解約後もそのまま利用できます。
目当ての素材を一通りダウンロードしたらすぐに解約、といった方法も気軽に取れます。
【5】デメリット・注意点

1.数が多すぎて探しきれない
メリットの面でも触れましたが、Spliceにアップされている音源は非常に多いです。
そのためマッチする素材がなかなか見つからない、探しきれないといったこともよくあります。
検索時に対象を絞るワード選びが重要になります。
2.ループ系素材の品質はまちまち
ドラム、コード楽器などのループ素材も多数揃っていますが、多い分クオリティ・使い勝手はピンキリです。「これどうやって使えばいいの?」みたいな素材も結構見かけます笑
良いものを見つけるためには、ある程度の根気が必要とされるでしょう。
3.解約しない限り料金は継続
他のサブスクサービスと同様ですが、Spliceを一切利用しなくなっても解約しない限りは月額料金がかかります。
しばらく、または今後使わない予定であれば忘れずに解約しておきましょう。
【6】筆者の感想
1.充実のラインナップ
まず、ジャンルを問わない品揃えの豊富さに驚かされました。
EDM、ヒップホップ、テクノ等の打ち込み系はもちろんのこと、ロック、ジャズ、カントリー、クラシックといった生音系も充実しています。
特にスネア、キックといったドラムの単音モノが便利で、上手く使えば下手な専用プラグインよりクオリティの高いものが作れてしまいます。
2.マニアックな方面もおまかせあれ
Spliceにアップされているのはなにも楽器や歌だけではありません。
遠くを走るバイクのエンジン音や、激しく打ち付ける雨音、ざわざわした都会の雑踏など、環境・生活をテーマとした音声も多く揃っています。
その一例として、こちらの「Car Sounds」。
車のエンジン音、クラクション、走行音、ドアの開閉音やシートベルトの装着音まで取り揃えています。

動画制作のSEなんかにも使えそうですね。
3.パックが便利
Spliceでは素材単品だけでなく、同じテーマのものをひとまとめにしたパックでのダウンロードも可能です。
トラップのドラム音源をまとめたもの、ボーカルサンプルをまとめたもの、映画トレーラー用の音声をまとめたもの…など。
上記の「Car Sounds」も、車関係の音声を集めたパックです。
目的のテーマ、ジャンルの音声を手っ取り早くまとめて手に入れられるので重宝しています。
(相応にクレジットを消費しますが)
【7】サンプル使用例
Spliceのサンプル音源を使用した楽曲を作ってみました。
わかりやすくするため、今回はSpliceからダウンロードした音源のみを使っています。
※最低限のEQ、コンプレッサーをかけています
1.トラップビート
キックとボイスは単音物、それ以外のベース、ドラムパターン、ブラスはループ物素材です。
こうしたトラップ、ヒップホップ系のサンプル音源は特に充実しています。
2.ロック・フィール・ドラム
続いては単音物を組み合わせ、ロックドラムのパターンを作りました。
Spliceは打ち込み系だけでなく、このような生音系素材も多く揃っています。
3.シンセポップ・ボーカル
ボーカルサンプルを主軸にした楽曲。
楽器系のみならず、ボーカル物素材も豊富に取り扱っているのが嬉しいところ。
キーを合わせてコード素材の上に乗せれば、それだけで「っぽく」なってしまいます。
4.雨の日のドライブ
最後は趣向を変え、曲ではなく効果音・環境音のみで。
文字通り、雨の日にドライブに出かける様子を演出してみました。
作曲だけでなく、映画・映像制作にもSpliceは活躍しそうです。
【8】最後に

以上、サブスク制音源素材配布サイト「Splice」を簡単に紹介させていただきました。
サンプル使用例を聴いていただいてもわかる通り、どの素材も非常にクオリティが高く有用です。
これらを毎月安くて1,000円弱で手に入れられるのですから、使わない手はないでしょう。
自分の力だけで制作を頑張るのはもちろん良いのですが、時に行き詰まってしまうこともあります。
そんな時にこういったサンプル音源・ループ素材に触れると、自分だけでは思い浮かばないようなフレーズにインスピレーションを受けたりもします。
Spliceは音源素材のみならず、多くの選択肢と気づきを与えてくれる、私はそう思います。
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