DTMの世界では様々な用語、略語が使用されています。
当記事では、初心者の方が今後活動をしていく上で知っておくべきDTM用語をご紹介します。
なんとなく使っているけど実は意味をよく知らない…といった方にもお役に立てれば幸いです。
◆あ行
アルペジエイター
アルペジエイターとは、入力したコードで自動的にアルペジオを演奏する機能。
音程を下から上へ、その逆、または完全にランダム等設定を変えることができる。
複雑なパターンを一から構築できる高性能な物も存在する。
アンプシミュレーター
アンプシミュレーターとは、エレキギターやエレキーベースで使用するアナログアンプの音を再現できるハードウェア/プラグインのこと。
DTMの世界ではプラグインの方を指すことが多い。
イコライザー
イコライザーは、音の周波数帯域を変更できるエフェクター。
低音部をカットし音抜けを良くする、中音域を上げてボーカルを強調する、など使い方は様々。
EQと略されることが多い。
AIFF(エーアイアフエフ)
正式名称は「Audio Interchange File Format」。
Apple社が開発した音声データの拡張子。
非圧縮のため音質は良いが、Windowsとの互換性が無いので注意が必要。
MP3(エムピースリー)
正式名称は「MPEG-1 Audio Layer-3」。
90年代初めに開発された音声データの拡張子。
容量が軽く互換性も高いが、圧縮データのため音質は落ちる。
オーディオインターフェイス
オーディオインターフェイスとは、マイク、エレキギターなどの録音機材とPCを接続するための機械。
数千円の安価な物から、数十万円するプロ仕様まで種類は様々。
オートメーション
オートメーションとは、事前に設定を入力し、再生時に値を自動で変化させられる機能。
主に音量変化やPAN振り、ピッチの上げ下げ等で使用される。
◆か行
クオンタイズ
クオンタイズとは、バラバラなリズムで収録されたMIDIデータを、指定されたタイミングで揃える機能。
8分音符、16分音符、3連符など良く使う物から、64分音符、5連符など複雑な設定ができる物も。
コード
和音のこと。複数の音が重なってハーモニーを形成する。
語句の由来は弦を意味する「Chord」から。
コンプレッサー
コンプレッサーは、音の大きい部分を圧縮し、小さい部分との差を縮めることができるエフェクター。
大小差が少なくなるため音の安定感が増し、無加工に比べ厚みのあるサウンドになる。
「マルチコンプレッサー」という、圧縮する帯域を細かく指定できる種類も。
◆さ行
サンプリングレート
サンプリングレートとは、音声アナログデータをPCに取り込み、デジタル変換(サンプリング)する時に使う数値。
Hz(ヘルツ)で表され、1Hzなら1秒に1回サンプリングする。
数値が大きいほど質は上がるが、その分負荷も大きくなる。
サンプルレートとも。
シャッフル
シャフルとは、3連符の二つ目の音符を抜いた、跳ねるリズムのこと。
文字で表すと「タッカタッカタッカ…」といった感じで、主にブルースなどで使用される。
スレッショルド
スレッショルド(Threshold)とは、「閾値(しきいち)」のこと。境目となる値。
DTMにおいては、コンプレッサーの機能の一つ。
設定した数値(dB)を超えると、その音が圧縮される仕組み。
◆た行
DAW(ダウ)
「Digital Audio Workstation」の略。
作曲をする上で必要になるツール、ソフトウェアを指す。
Logic Pro、Cubase、Protoolsなどが有名。
DTM(ディーティーエム)
「Desk Top Music」の略。
PCを使って作曲すること全般を指す。
ディレイ
ディレイは、元の音を追いかける、やまびこのような効果を作り出すエフェクター。
「空間系」と呼ばれるエフェクトで代表的なもののひとつ。
トランジェント
トランジェントとは、「音の立ち上がりの瞬間」のこと。
ピックがギターの弦に触れた瞬間や、スティックがドラムヘッドに当たった瞬間の音などが代表的。
トランジェント部分を調整するエフェクト、「トランジェントシェイパー」なども存在する。

◆な行
ニー
ニー(KNEE)とは、膝のこと。
DTMでは主にコンプレッサーで使用される言葉で、グラフの線の形が膝のように見えることが由来と思われる。
音量圧縮のタイミングの緩急を調整する機能で、緩やかなものを「ソフトニー」、急なものを「ハードニー」と呼ぶ。
ノート
MIDIノートとも。
「音符」を意味し、DTMにおいては「ピアノロール上に打ち込む横棒」を指す。
◆は行
バウンス
バウンスとは、作成した作曲データをファイルとして出力すること。
「跳ねる」を意味し、かつてピンポン録音と言われるレコーディング方法が主流だった頃の行程が由来とされている。
PAN(パン)
PANとは、音がどの方向から出てくるかの位置のこと。「定位」とも呼ばれる。
中央の0を基準とし、左-64、右+63の間で設定する。
PANを設定することを「パンニング」と言う。
ピアノロール
ピアノロールとは、音程、リズムなどを視覚的にわかりやすく表示したDAWの標準的な機能。
デジタルの楽譜のような物であり、ここにMIDIデータなどを打ち込み作曲する。
ピッチ
音程のこと。
歌が上手い人に対し「あの人はピッチが安定している」と評したりする。
ビットレート
ビットレートとは、「1秒間に送信できるデータ量」を示す単位。略称はbps。
動画や音声の質を表すときに使われ、数字が大きいほど良質になる。
プラグイン
「差し込む」の意味であり、DTMの世界ではDAWの機能を拡張するためのツールを指す。
主に、音色を増やすことができる音源系、エフェクトを増やすエフェクター系に分けられる。無料でダウンロードできるもの、何万円もする高価なものなど種類は様々。
ベロシティ
MIDIノートの音量のこと。
1~127の数値で表され、大きいほど音量も大きくなる。
本来の意味は「速さ」であり、キーボードなどの楽器が鍵盤を弾く速さで音量を決定していたことに由来する。
ボイシング
ボイシングとは、コードを奏でる際、構成音の間隔をどう配置するか決めること。
音色に変化をつけたい時や、コードチェンジの際に音程が極端に動きすぎないよう工夫する時に考慮する。
◆ま行
マスタリング
マスタリングは、音楽制作における最終工程。
リミッターを使用し音圧を上げる、イコライザーで不要な帯域をカットする、等の作業が代表的。
MIDI(ミディ)
「Music Instrument Digital Interface」の略。
電子楽器の演奏データが共有できる、世界共通規格のこと。
共通規格のため、たとえソフトや楽器のメーカーが違っても同じように音を再現できる。
◆や行
◆ら行
リバーブ
リバーブは、元の音に残響音を加えるエフェクター。使用することにより立体感を演出することができる。
「空間系」と呼ばれるエフェクターで代表的なもののひとつ。
リミッター
リミッターは、 音を圧縮し音圧を上げるプラグイン。音割れを防ぎつつ音量を上げることができる。
主にマスタリングで使用される。
レシオ
レシオ(Ratio)とは、比率のこと。
DTMにおいては、コンプレッサーの機能の一つ。
音の圧縮率を決める機能で、数値が高いほど圧縮率が高くなる。
ローインターバルリミット
ローインターバルリミットとは、低音が濁らずに聴こえる音配置の限界値。
和音を構成する際、低音部が集中し響きが濁るのを防ぐため考慮する必要がある。
ミキシングにおいても重要なポイント。
◆わ行
WAV(ワブ)
正式名称は「Waveform Audio File Format」。
Microsoft社とIBM社が共同開発した音声データの拡張子。
非圧縮で利用できるため音質が良く、互換性も高いので広く利用されている。
最後に
いかがだったでしょうか。なんとなく知っていた言葉でも、改めて意味を知ればまた別の視点で受け取れるのではないかと思います。
これらに限らずDTMには数えきれないほどのワードがあるので、随時追加していくつもりです。