この記事はこんな方におすすめ!
・メロディやハーモニー、言葉はよく聞くけど具体的にどんなもの?
・それが無くなるとどうなっちゃうの?

普段なんとなく耳にしている音楽。しかし、それらはただ音を並べるだけでは成立しません。
楽曲が整って聴こえる条件、あるべき法則というものが存在します。
今回は音楽を構成する三つの要素を解説していきます。

【1】メロディ

旋律とも呼びます。
「歌や楽器の音がリズムの進行に伴い、音程が上下したり、音符の長さが変化するなどして形作られるもの」
をいいます。

その楽曲一番の目玉・主役であり、わかりやすい例ではボーカルがそれを担当します。歌の無いインストゥルメンタルでは、ギターやピアノなど中音域が得意な楽器が担当することも。

いの一番に耳に入ってくる要素なので、印象に残るメロディを作るため世の作曲家たちは日々苦心しています。
グッドミュージック=グッドメロディなんて言葉があるくらい、音楽において重要な位置を占めています。

ただ、映画の劇伴BGM(バックグラウンドミュージック)のように、あえてメロディを排除し音楽を背景の一部として演出する手法もあります。

【2】ハーモニー

和音和声とも。
二つ以上の音程が重なって作られる状態、進行」
を指します。

「明るい・暗い」「おしゃれ・厳か」など、その曲の持つ雰囲気・性格を決定づける役割を担います。
メロディの進行が同じでも、後ろで鳴っているハーモニーが違うと受ける印象はガラリと変わります。メジャーコードであれば明るい印象マイナーコードであれば暗い印象…など。

ハーモニーも曲の進行に伴い変化していく場合がほとんどで、コード進行と呼ばれます。
中高音域はピアノやギター、低音域はエレキベース、ピアノのベース部分等が主に担当します。

複数の楽器、パートによって構成されていきますが、基本的に全て同じ方向を向いた、調和が取れた状態で配置されます。調性から外れた音により、違和感がある状態を不協和音と呼びます。あえてそういった演出をする時以外は極力取り除いた方が良いでしょう。

ハーモニーの無いメロディ、リズムのみでも曲は成立しますが、少し寂しいものになってしまいます。

【3】リズム

律動とも呼びます。
リズムの定義を端的に表すのは難しいのですが、
「その楽曲の動的な傾向を決める要素」
といったところでしょうか。

テンポ(BPM)や拍子、音符の長さ、小節の区切り等によって表されます。
速いテンポ、細かい刻みの音符は緊張感やスピード感を、逆にゆったりとしたテンポや伸ばす音符であればリラックス感や温和な雰囲気を演出…といった感じです。
楽曲の根幹、土台の部分を担っています。

主にドラムやパーカッションなどの打楽器が担当し、ベース楽器もその一部を担っています。
まとめてリズム隊と呼称されることが多いです。
リズムのみでも音楽は成立するので、打楽器オンリーの楽曲なども多く存在します。

音符を置けばその時点でリズムが発生するので、極端な例ですが「3分間最後まで単音全音符」でも主張してしまえばそれは音楽です。

【4】各要素が欠けてしまった場合

以上三つの要素を簡単に解説しましたが、我々が普段聞いているような楽曲(ポップス、ロックなど)でそれらが欠けた場合どうなるか?を実際に音源を使って聴いてみましょう。

※全て同じテンポ、同じコード進行を用いています

1.メロディ要素が無い例

主旋律がなくリズム隊、伴奏のみ。
いわゆるカラオケ版のような感じですが、やはり主役がないと寂しいです。
デモ音源として提供する場合はこの形態の方が喜ばれることも。

2.ハーモニー要素が薄い例

伴奏のオルガンとベースを抜き、メロディとドラムのみ。
コード感が無く音の広がりが薄いため、物足りなさは否めません。
ダイナミクスを演出するために、曲の中盤であえてこういった構成を取るパターンもあります。

3.リズム要素が薄い例

ドラムを一切排し、拍子も全て拍の頭に置いたベタうち。音の動きも最低限になりました。(かなり極端ですが)
躍動感に乏しいため、聴いていて退屈になってしまいますね。リズムが音楽の根幹になっている理由がよくわかります。

最後に、三つの要素が備わった状態で聴いてみましょう。

4.三要素揃った例

聴き馴染みのある雰囲気です。やはり全て揃っていると安心しますね。

【5】最後に

以上、音楽の構成要素について解説いたしました。

・音楽の構成要素は「メロディ」「ハーモニー」「リズム」の三つ
・メロディは曲の主役、顔
・ハーモニーは曲の雰囲気を決める
・リズムは曲の傾向を決める要素、根幹

・それぞれが欠けると違和感が生じたり、物足りなくなってしまう
・調性から外れた「不協和音」に注意

この三要素が揃っていれば、楽曲は最低限成立します。
これらの要素を意図的に無くしあえて違和感を作る手法もありますが、初心者の方はまずスタンダードな作りから学んだ方が無難です。
崩すのは基本を十分に学んでから。型破りなものを作るにはまず型を知らなければなりません。

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