この記事で書かれていること
・MIDITrailの紹介
・導入方法&使い方
・MIDITrailを使った動画の作り方

SNSなどで音楽系の投稿を見ているとき、こんな動画を見たことはありませんか?

DAWで作成したMIDIノートと曲が、3Dの映像で流れていく動画。
曲だけでなく視覚にも訴える演出は非常に刺激的で、ぜひ自分でも作りたいと思い調べたところ、「MIDITrail」という無料アプリを使っていることが判明。

本記事ではMIDITrailの導入方法・使い方・MIDITrailを使った動画の作り方を解説していきます。

【1】MIDITrailとは

MIDITrailは、MIDIデータを読み込ませ演奏させる、MIDIプレーヤーと言われるアプリの一種です。
他にMIDIを読み込むアプリとして「Piano Visualizer」などがあります。こちらも動画サイトなどで見かけた方も多いのではないでしょうか。

引用元-Piano Visualizer

本アプリは音だけでなく、3Dで表現されたMIDIノートの映像も同時に楽しむことができます。
宇宙空間をイメージした背景をバックに、色とりどりのノートが流れる様は非常に流麗。

windows・mac両OSで使用できるのも嬉しい点です。

【2】導入方法

※macOSでの解説になります

まずはこちらのサイトからダウンロード。

赤丸で囲んだファイルをダウンロードします。
(intel, apple silicon)(source code)、両方手に入れましょう。

また、AppStoreでも入手することが可能です。

特別なセットアップなどは必要ありません。

【3】使い方

データ読み込み

「MIDITrail」フォルダ内の、鍵盤アイコンをクリックすればアプリが立ち上がります。

そうすると黒い画面が出現、上部にはメニューが表示されます。

この状態でMIDIデータを黒画面にドラッグ、もしくは上部メニューからFile→OpenFileでデータを開けば準備完了です。

操作方法

他の一般的な動画プレーヤーと同じように、再生・停止などのコマンドが設定されています。

再生&一時停止:スペースキー
停止:Esc
巻き戻し:1
早送り:2
テンポアップ:4
テンポダウン:5

もしくは上部メニューの「Playback」からコマンドを選択しましょう。

演出変更

MIDITrailには計5つの画面演出があります。

Piano Roll 3D
Piano Roll 2D
Piano Roll Rain
Piano Roll Rain 2D
Piano Roll Ring

Piano Roll 3D
Piano Roll Rain
Piano Roll Ring

表示は上部メニュー→Viewで変更できます

またここでは鍵盤・背景・グリッド線などのオブジェクト表示の有無も変更できます。
自分好みの映像を演出しましょう!

カラーの変更

設定により、MIDIノートのカラーを変更することができます。

上部メニュー→Option→Colorを選択します。

デフォルトパターンの他、自分で設定したパターンを6個保存できます。

カラーはMIDIチャンネルの1-16まで対応しており、DAW上での変更が必要になります。
(本記事ではLogic Proでの変更方法をご紹介します)


DAWを立ち上げ、MIDIリージョンを一つ選択、リストエディタ(赤丸)をクリックしましょう。

選択したリージョン内の全てのMIDIノートの情報が表示されました。

「ch(黄丸)に注目。ここの数字を1-16のどれかに設定することにより、先ほどのカラーと対応させることができます。

また、背景(BG)、グリッド線(GL)、カウンター(CT)の色も変更可能です。

【5】MIDITrailを使った動画

このように魅力的な演出力を持つMIDITrailですが、残念ながら映像をmp4等の動画として保存する機能はありません。
そのため録画ソフト・動画作成ソフトを使用する必要があります。

本項目では、Macに最初から搭載されている機能(QuickTimePlayer、iMovie)での動画作成方法をご紹介します。

録画

QuickTimePlayerを使用します。

まずはMIDITrailを立ち上げ、再生可能な状態にします。
次にcommand +space+5を同時押しし、QuickTimePlayerを起動。
「選択部分を収録」でMIDITrailウィンドウの範囲を選択します。

画面収録を開始し、その状態でMIDITrailを再生します。
あとはキリのいいところで録画を停止しましょう。
再びcommand +space+5を同時押しし、「画面収録を停止」で保存します。

これで映像は作成されました。しかし、QuickTimePlayerは音声保存できないので、このままでは無音です。
次に、動画作成ソフトを使用し音声をつけます。

動画作成

iMovieを使用します。

まずはiMovieを立ち上げ、先ほど保存した映像と、楽曲データを読み込ませます。
「メディアを読み込む」の部分にファイルをドラッグするだけです。

次に、それらファイルを画面下半分のタイムラインにドラッグ。
これで編集できるようになります。

あとは映像の余計な部分をトリミングし、音声とピッタリ合わせるように位置を調整すれば完成。
MIDIノートの先頭がピアノロールに当たる瞬間と曲の頭を合わせればスムーズにいくはずです。
あとはお好みでディゾルブなどの演出を加えれば間違いないでしょう!

【6】最後に

以上、MIDIプレーヤー「MIDITrail」と、それを使った動画の作り方について解説させていただきました。

機材や技術の普及に伴い、音楽だけでなく個人での映像作りの質も求められるようになった昨今。
動画投稿サイトやSNSの存在は、視覚によるアピールをより重要なものとして位置付けています。

そんな中、手軽に使える&視覚効果バッチリなMIDITrailはまさにうってつけ。
動画制作入門の導線としても有用ではないかと感じます。

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