この記事はこんな方におすすめ!
・CDレンタルが面倒になってきた…
・もっと楽に作曲のネタ探しをしたい!
DTM・作曲を嗜んでいる皆さん、普段はどのようにして音楽を聴いていますか?
CD、レコード、MP3プレーヤー、iTunes…
入手方法も店舗での購入、レンタル、配信で曲の単品買いなどさまざまです。
私も少し前まではCDレンタルやiTunesでの購入が主な手段でした。
ですがのちにMacBookを導入、ついでにサブスク音楽配信サービスであるApple Musicに加入すると、見事に世界が変わりました笑
またそれはDTM、作曲面にも影響を及ぼし、導入前と後で楽曲制作に対する姿勢に大きな変化が起きました。
今記事では私が普段愛用しているApple Musicを例にサブスク音楽サービスの利点を、さらにDTM・作曲に携わる方にこそサブスクを使ってほしい理由を述べていきます。
目次
【1】サブスクのメリット
1.配信曲数の多さ

サブスクを導入してまず驚いたのが、想像よりはるかに配信曲数が多かったこと。
誰もが知るメジャーアーティストはもちろん、マイナーな海外のインディーズバンド、国内アマチュアシンガーの自主制作盤等と全世界ありとあらゆる種類の楽曲が配信されています。
アルバムだけでなく、シングルCDやEPも単品で配信されているのも驚きでした。
CDなどの、現物では手に入れることが難しくなっているであろうマニアックなB面曲なんかも手軽に聴けてしまいます。
私が使っているApple Musicでは総配信曲数なんと9000万曲以上。
一生かけても聴ききれる数ではありません。
非常に便利ですが、サブスクに曲が一部しかない、もしくは一切配信していないメジャーアーティストも一定数存在するので、そこはご注意を。
2.あらゆるジャンルの曲が簡単に聴ける

多いのは曲数だけでなく、ジャンルでも。
流行のポップスはもちろんのこと、ロック、ヒップホップ、ジャズ、クラシック、歌謡曲、演歌などまさによりどりみどり。
ポピュラー系以外にも映画・アニメなどのサウンドトラック、アンビエント、リラクゼーションミュージック、果ては雨音などの環境音さえ配信されています。
古今東西ありとあらゆる種類の楽曲が揃っているため、楽曲制作の勉強にももってこい。
馴染みのないジャンルを作曲することになった時も、参考楽曲を容易に探せます。
3.優秀な検索機能
サブスク配信サービスには必ずついている検索機能。
アーティスト名、曲名での検索が基本的な使い方です。

それ以外にも、ジャンル名、年代、ざっくりとした曲の雰囲気のワード等でもバッチリ検索してくれます。

私個人としては、特にジャンル名検索にお世話になっています。
例えば「ジャズ」と検索した場合、該当するアーティスト・アルバム・プレイリストがずらりと表示されます。
一覧表示により今まで知らなかったアーティストも目に留めることができるため、深掘りも容易。
おすすめとして出てくるのも、有名曲・人気曲などツボを抑えたもの。

そのジャンルの美味しい部分を手早く、手軽にいただくこともできるのです。
4.抜群の費用対効果

基本的にどのサブスク配信サービスも、月額(あるいは年額)料金を支払い契約します。
Apple Musicを例に取ると、個人プランで月額980円。
1ヶ月980円支払うだけで、9000万曲以上の音楽が聴き放題になるのです。
これはショップで購入・レンタルといった従来の方法と比べると破格の価格。
例えばCDレンタルが5枚一週間1,000円のサービスなら、サブスクはそれ以下の料金で何倍何十倍もの楽曲を聴くことができます。
さらに時間の面。
レンタルや現物購入では対象を手に入るまでどうしても手間がかかってしまいすが、サブスクであればスマホでワンタッチ。
いわば、古今東西あらゆるジャンルを取り揃えた超巨大レコード店が手のひらに収まっている状態なのです。
毎日毎月、新しい音楽を発見したい、勉強したい人にはこの上ないツールでしょう。
たった月980円で、しかも時間もかからず無数の楽曲に触れることができるのですから。
私自身も趣味の面、勉強の面ともに多いに活用させてもらっています。
その分、アルバム一枚を聴き込む時間が減りがちになるという痛し痒しな面も否定できませんが…
5.便利なサジェスト機能
サジェスト機能とは、検索欄にワードを入力した際、関連する項目やキーワードを表示してくれる機能のことです。
Googleなどの検索エンジンでお馴染みですが、サブスク配信サービスにもこの機能が取り入れられています。
この機能により、近い曲調・感性のアーティストを簡単かつより深く探すことができます。
Apple Musicを例に見ていきましょう。
まずは特定のアーティスト名を検索します。

そのアーティストの検索結果が表示されるのですが、注目すべきはその一番下の欄。

このように、検索したアーティストと似た雰囲気、同じジャンルの別アーティストが表示されます。
さらに、その別アーティストに飛ぶとまた別のアーティストが表示されるので、探して聴いて飛んでまた探して…といった感じに延々と終わらなくなってしまいます笑
かなりの時間泥棒になってしまうので、使用にはくれぐれも注意しましょう!
6.他ユーザーが公開したプレイリストの活用
Apple Musicをはじめサブスク配信サービスでは、自らが作成したプレイリストを公開・共有する機能があります。
会ったことのない他のユーザーが作成・公開したプレイリストを、自分でも楽しむことができるのです。
例えばApple Musicで「通勤」と検索した場合。

Apple Music公式がまとめたもの以外に、ユーザーが公開したプレイリストが表示されます。
「通勤」をテーマに、人々がどのような選曲をしているのかを窺い知ることができます。
他にも「受験」「筋トレ」など、生活の一幕をテーマにしたワードを検索すると面白いですよ。
ここで作曲・DTMを嗜んでいる方に、ひとつ面白い方法をお教えします。
それは「レコーディングエンジニア」の名前で検索してみること。
ユーザーが公開しているプレイリストの中には、アーティストだけでなく、その楽曲のミキシング・マスタリングを担当したレコーディングエンジニアでまとめているものがあります。
例えば、レディオヘッド等の楽曲を担当していることで世界的に有名なナイジェル・ゴドリッチ氏。

こちら一ユーザーの方が作成したプレイリストでは、ゴドリッチ氏がエンジニアを担当してきた楽曲がずらりと並んでいます。
名だたるアーティストの曲が並んでいますね。
この方法最大の利点は、「世界的エンジニアのミックステクニックを手軽にリファレンス(参照)できる」ということ。
ミックスはとても奥が深く、行き詰まってしまうことが多々あります。そんな時に一流プロのお手本を、しかもまとめて参考にできるのは大きな強みです。
今ご自身が作っているジャンルで、どのエンジニアが有名なのか一度調べてみることをおすすめします。
ちなみに最近私が参考にしているのは、ザ・ウィークエンドやテイラー・スウィフト等の仕事で知られているセルバン・ゲネア氏。
氏の、低音部分を心地よく鳴らすサウンドは絶品です。皆さんもぜひチェックしてみてください。
【2】DTMer・作曲勢こそサブスクを活用すべし!

ここからはDTM・作曲を嗜んでいる方にこそサブスク配信サービスを利用してほしい理由を述べていきます。
特に「もっとスキルを磨きたい」「将来的に音楽制作の依頼を受けてみたい」という方にこそ見て頂けたらと思います。
1.多様なジャンルに手軽に触れられる
上記でも紹介したように、サブスクで配信されている楽曲の数は9,000万曲以上。
曲の種類も、国・年代問わずあらゆるジャンルを網羅しています。
今まで聴く機会のなかった種類の音楽にも簡単に触れられるようになるため、非常に勉強になります。
2.聴く音楽の幅が広まれば作曲の引き出しも増える
音楽はよく聴いているけど、特定のアーティスト・お気に入りの曲しか聴いてない、なんてことはないでしょうか?
もちろん楽しみ方は人それぞれですが、それだと少しもったいない、と私は考えます。
特に作曲をしている方こそ、多種多様な音楽に触れるべきだと思っています。
偏ったジャンル、同じアーティストばかりだと、フレーズが似たり寄ったりの物になりがち。
引き出しの新陳代謝が行われず、ネタ切れを引き起こしやすくなってしまいます。
そんな時こそサブスクの出番。タッチ一つで全く知らない世界へ飛び込めます。
「いつもはヘビーメタルを聴いてるけど、ヒップホップに挑戦してみよう」
「邦楽しか聴いてこなかったけど、洋楽もチェックしてみよう」
「全く知らない国の民族音楽を聴いてみよう」
あえて知らないジャンルの音楽に踏み込むことで、思わぬインスピレーションを得るかもしれません。
引き出しは多ければ多いほど有利です。
3.サブスクはリファレンスの宝庫
こちらはミックス・マスタリング方面での利点。
「プレイリストの活用」のトピックでも触れましたが、ミックスとマスタリングの勉強をする上でもサブスクは非常に有用なツールです。
音量バランス、音圧、PANの振り方、エフェクトのかけ具合…
一人で作業していると何が正解かわからなくなってしまいがち。
そんな時にサブスクを活用すれば、無数のお手本が手に入ります。
また、同ジャンル内でもアーティストやエンジニアによって表現方法は様々。
サブスクがあれば聴き比べも容易になるので、自身のスキルにフィードバックしやすくなります。
【3】筆者体験談

私自身、サブスク配信サービス(Apple Music)を使い始めて数年経ちますが、様々な恩恵を受けています。
そのいくつかをご紹介しましょう。
1.知らないジャンルの勉強に
とある理由でヒップホップ系の曲をいくつか作ることになったのですが、当時の私はそういった楽曲を作り慣れていませんでした。
そんな時に役立ったのがサブスク。とにかく流行のヒップホップを聴きまくり、知らないなりに真似をしてみました。
ざっと数えて100曲近くを参考にしたでしょうか。レンタルや購入では短い時間でこうはいきません。
聴いて作ってを繰り返すうちに、徐々にですがコツも覚えていき、師事している先生からも良い評価を受けることができました。
「手軽にたくさんの楽曲に触れることができる」サブスクの恩恵を強く感じた一件でした。
2.サジェスト機能で広まる世界
同じジャンルのアーティストを紹介してくれるサジェスト機能。
同年代であったり、大まかなジャンルは違えど近い要素を持っているアーティストも表示してくれます。
例えば、ロックバンドとカテゴライズされつつも、ヒップホップの要素もある程度含むアーティストがいたとします。
この時主にサジェストされるのは当然他のロックバンドですが、ヒップホップ要素も汲んで検索されるため、ラッパー、DJなども表示してくれます。
さらにそのヒップホップ系アーティストが持つ別ジャンルの要素を汲んだサジェストを見て…といった感じに、ジャンルの間口がどんどん広がっていきます。
私自身もこの仕様を活用し、多くのジャンルに触れられるようになりました。
上のトピックでも書きましたが、本当に時間を持っていかれるのでそこだけはご注意ください笑
3.最新・流行の曲も抑えやすい
リリースされたばかりの新曲も、サブスク配信サービスを使えばすぐにチェックできます。
Apple Musicには「見つける」という欄があり、こちらを見れば最新楽曲、世界で聴かれている流行曲が一目でわかります。

私が特にお世話になっている「見つける」の機能を二つご紹介します。
●ニュー・ミュージック・デイリー
まずは「ニュー・ミュージック・デイリー」。
文字通り、最新の楽曲が洋邦問わず毎日更新されます。

こちらを参考にすればトレンドは大体抑えられるため、現在のシーンにおいてどのような曲調、ジャンルが流行っているのか大いに参考になります。
メロディやリズムだけでなく、使われている楽器や曲の長さなどの傾向を調べるのにも重宝します。
技術は日進月歩で進化しています。
作曲やミックスの技術を向上させるためにも、最新の流行はチェックすべきと私は考えています。
●デイリートップ100
続いて、再生数が多い曲順に1位から100位まで表した「デイリートップ100」。
こちらも毎日更新されています。
国別のランキングをチェックできるのが最大の特徴で、日本をはじめ、アメリカ、イギリス、ブラジル、スウェーデン、アゼルバイジャン、ボツワナ、ブルガリア…など世界各国でどんな曲が流行っているのかがわかります。

基本的にはその国の人気アーティストが上位を占めており、その中にアメリカやイギリス出身の世界的有名ミュージシャンの曲がいくつか入っている、といった形が多いです。
そこで私がおすすめするのは、全然知らない国の全然知らないアーティストの曲を聴いてみること。
特に英語圏以外の、アフリカ諸国や南アジアのような「そもそも歌手名や曲名の読み方がわからない」ような所ほど面白いです笑
普段、日本で生活している中でまず耳に入ることのない曲調を楽しめるというのもありますし、何より作曲の意外なインスピレーション元にもなります。
その国の民族音楽がベースになっていることが多く、普段日本で聴いている音楽だけでは思いつかないような展開に驚かされたりします。
【4】最後に

以上、サブスク配信サービスの利点と、DTM・作曲勢こそ使うべき理由について述べさせていただきました。
作曲の腕を磨く上で、新しい要素をインプットすることは非常に重要です。
同じアーティスト、同じ曲ばかりを聴き続けるのも無論悪いことではありませんが、それだけだといずれマンネリ・頭打ちになってしまいます。
より良いアウトプットのためには、より良いインプットを。
引き出しは多くなるに越したことはありません。充実した作曲ライフを送るためにも、ぜひサブスクを活用してみましょう。