※この記事はLogic Proユーザーの方へおすすめしています。
先日、Apple社からリリースされているDAWソフト「Logic Pro X」のバージョンが10.7.5に無償アップデートされました。
変更点は数多くありますが、以下に主要なものを。
・ギターのエフェクトペダルを模したプラグイン「Pedalboard」に収録されているエフェクトが、それぞれ個別に利用できるようになった
・32ビット(浮動小数)のオーディオを読み込めるようになった
・アルペジエイターなどMIDIエフェクトの音の動きを、実際にMIDIノートに記録できるようになった
・トラックスタック内にさらにスタックを追加できるようになった
他にも色々ありますが、特に注目&紹介したいのがこちら。
・トラックスタック内にさらにスタックを追加できるようになった
この二重トラックスタック(便宜上そう呼称します)により、特にドラムのミックスがやりやすくなるのではと思います。
今回はトラックスタック自体の解説も併せて述べていきます
【1】トラックスタックとは?

複数のトラックを、ファイルのようにしてひとまとめにする機能です。
似た音域や種類の音色をまとめてEQ、コンプしたりするときによく利用します。
中でも「パラアウトしたドラムをまとめる」時によく使われるのではと思います。
参考記事
ドラムサウンドをもっとリアルに!パラアウトに挑戦しよう
方法は簡単。
まとめたいトラックを全て選択→右クリックメニューの「Track Stackを作成」→「サミングスタック」を選択。

これでまとめることができます。
あとは、わかりやすいよう親トラックに名前をつけておくと良いでしょう。

【2】二重トラックスタック
こうして作成したトラックスタック内に、さらにトラックスタックを作れる機能が今回ご紹介するテーマ。
こちらも方法は簡単。
トラックスタック内にある、さらにまとめたいトラックを選択し、【1】と同じように作成します。

同じ、もしくは似ているカテゴリの楽器・音源をスタックし、その中でもさらに近いタイプの物をまとめたいときに便利です。
【3】ドラムでの実用例
さてこの二重トラックスタック、ドラムトラックをまとめる際に特に活躍するのではと思います。
実例で見ていきましょう。
今回使用するのはLogic Proに標準搭載されている、ドラムのマルチ出力音源のプリセットであるProducer Kits。
ライブラリ欄からDrum Kit→Producer Kits→目当てのプリセット(今回はUnmixed+)を選択して準備完了。

画像の通りドラムのパーツがスタックされた状態で出てきます。
ここで注目してほしいのがキックドラム・スネアドラム・タム類。
赤丸で囲んである通り、キックドラムはインとアウト、スネアドラムはトップとボトム、タム類はハイ・ミドル・ローと別れています。
これらは実際のドラムレコーディングでのマイキングを再現しており非常にクオリティが高いのですが、反面手間もかかってしまいます。
特に楽器単独での音量調節をしたい時やコンプレッサーをかけたい時など、操作が煩雑になってしまいがち。
そんなときに二重トラックスタックの出番です。
以下の画像のように同じ種類の楽器をまとめておけば、音量調節・ミュート・ソロも一度の操作で済みますし、EQ・コンプレッサーもまとめてかけることができます。

【4】デメリット・注意点

このようにより利便性が増す二重トラックスタックですが、一つ注意点が。
スタックが増えればトラック数そのものも増えます。(当然ですが)
あまり増やしすぎるとCPUに負担がかかるので、そこだけは留意しておきましょう。
突然のダウン&フリーズほど怖いものはありませんからね。
【5】最後に

以上、Logic Pro X 10.7.5からの新機能、二重トラックスタックについて紹介させていただきました。
今回はドラムを例にしてお伝えしましたが、他にもストリングス、管楽器、パーカッション等様々な音源で活躍が期待できそうです。
ぜひ使いこなしてミックスを効率化していきましょう。