この記事はこんな方におすすめ!
・ドラムって具体的に何をやってるの?
・ドラムなんて誰がやっても同じじゃない?と言われて悔しいドラマー

現代の音楽にとって最早なくてはならない存在の「ドラム」
生演奏、打ち込みに限らずあらゆるジャンルで活躍しています。

すっかりお馴染みのパートですが、具体的にどんな働きをしているかを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?

今回はドラムの持つ役割、特性を参考音源を交えて解説します。

【1】「リズム」要素を担当

音楽は「メロディ」「ハーモニー」「リズム」三つの要素で構成されており、ドラムはそのうちの「リズム」を担当しています。

リズムは曲の雰囲気、方向性を決定づける大事な要素。
ドラムの一挙手一投足により、流れが大きく左右されます。
低音部を担当するベースとあわせて「リズム隊」とよく呼称されます。

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【2】テンポを決定

世の楽曲には殆どの場合テンポ(BPM)が存在します。
穏やかな曲であれば遅く、緊張感のある曲は速く…など。
そういった曲のスピード感、間の取り方はまずドラムのビートによって作られることが殆どです。

「Aメロは速く、Bメロで落ち着き、サビでまた速くなる」といったテンポチェンジをする楽曲があるとします。
そんな時はドラムがパターンを変えることによって、テンポの変化を演出することができます。

音源による例

「Aメロ8小節 (BPM180)→Bメロ4小節 (BPM90)→サビ16小節 (BPM180)」
という構成の楽曲です。

ドラムに注目してみてください。テンポに合わせてパターンも変化していますよね。
曲中にテンポチェンジを取り入れたい場合、ドラムをそのリード役にすると効果的です。

【3】テンポキープによる安定

基本、楽曲は一定のテンポを維持して展開されます。
安定したテンポを保ち続けることをテンポキープといい、ドラムが請け負う最大の責務と言っても過言ではありません。

テンポが一定に保たれることにより安定感が生まれ、他のパートが合わせやすくなり、聴き手も安心して楽曲を楽しむことができます。

逆にテンポが一定しないと、楽曲が一気に不安定なものになってしまいます。リズムがヨレる、なんて言い方をみなさんも聞いたことがあると思います。
そうなってしまうと悲惨で、拍の頭がわからない、キメが合わず締まらない、曲の盛り上がるべきところで盛り上がれない、などデメリット多数です。

重要な要素のため、レコーディングやライブにおいてドラムだけはプロの奏者に依頼する、といった事例もよくあります。

【4】ダイナミクスを演出

メロディやコード進行が綺麗でも、ずっと同じノリが続くと飽きてしまいますよね。
そこで重要なのがダイナミクスで、ドラムはその演出に大きく関わっています。

ダイナミクスとは強弱法とも呼ばれ、その名の通り音の強弱によって楽曲にメリハリをつけることです。フォルテ(f)、ピアニッシモ(pp)など聞いたことがある方は多いと思います。

下は「Bメロ(4小節)からサビ(4小節)への移り変わり」をイメージしたドラム音源です。
両方を聴き比べてみて下さい。

【1】

【2】

【1】始めから終わりまで音量変化が無く、平板で物足りない印象を受けます。

対して【2】は、最初は抑えめで、曲が進むにつれ徐々に音量が上がっていき、サビでピークを迎える構成になっています。強弱の差がはっきり出ていますよね。

楽曲の基盤となるドラムがダイナミクスをつけることによって、他のパートもそれに追随し、一つのまとまった「うねり」を生み出すことができます。
逆を言えば、他のパートがいくら頑張っても、ドラムがずっと同じ強さではノリを作り出すのは困難です。

【5】リズムパターンによる演出

ドラムの奏法には同じフレーズを繰り返す物があり、それらをリズムパターンと呼びます。
このリズムパターンを組み立てて楽曲を構成していくのもドラムの役割の一つです。

8ビート、16ビート、四つ打ちなど様々なものがあり、曲や展開によって使い分けていきます。
また、「リズムパターン=その曲のジャンル」と言ってもいいくらい、リズムパターンそのものが楽曲の方向性やジャンルに大きく影響します。

16ビートならファンク、四つ打ちならダンスミュージック…といった具合です。

逆にリズムパターンと他パートのノリが合っていないと、楽曲の構成がチグハグになってしまいます。
ドラムは16ビートなのにベースが8ビートの縦ノリ、なんてことになれば、まとまるものもまとまりません。事前のイメージが大事です。

以下、代表的なリズムパターンをご紹介します。

1. 8ビート

2. 16ビート

3. 四つ打ち

【6】最後に

以上、簡単ですが楽曲におけるドラムの役割を解説させていただきました。

・音楽の構成要素のうち「リズム」を担当
・ベースとあわせ「リズム隊」と呼ばれる
・楽曲のテンポ感を決定
・テンポキープにより曲に安定感を与える
・ダイナミクスを演出することによりメリハリを作る
・リズムパターンで楽曲の方向性やジャンルを決定づける

・ドラムのテンポ感が不安定だと曲も安定しない
・ダイナミクスが欠けるとノリも平坦に
・リズムパターンはしっかり合わせよう

ボーカルやギターなどの花形に隠れがちだけれども、無くてはならない縁の下の力持ち
いえ、実際には裏で大きな影響を及ぼしている、影の支配者と言ってもいいかもしれません。
リズムの全く無い音楽は存在しないので、それを左右するドラムは無視できません。

曲を構築するにはまずリズムから、リズムを形作るにはドラムから。
ドラムを制するものはDTMを制す、それも言い過ぎではない存在感を誇っています。

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